PoCで終わらせない!IoT導入を成功に導く「SA課」とは?
こんにちは!ミーク広報です。
ミークでは2023年9月に、ソリューションアーキテクト課(SA課)が新設されました。
SA課は、ITシステムにおいてお客様の抱えている懸念点をヒアリングし、技術的な面でサポートすることでお客様の実現したいITシステムを最適な方法で実現していく役割を担っています。また、営業に同行して営業メンバーでは回答が難しい技術的な質問に回答するなど、社内からも頼りになる存在です。
そんなSA課の課長である長塚さんにSA課についてインタビューしてきました。
外資系を渡り歩き、ミークで初めて日系企業へ
──長塚さんのご経歴を教えてください。
COMPAQとHPではシステムエンジニアとして、通信事業者向けシステムや運用監視システムの開発に従事し、顧客対応から開発管理までを担当していました。
2010年頃からはHPのソリューション製品専任のスペシャリストとして、製品の社内外への啓蒙やローカライズ支援などの役割が大きくなりました。
IoTに関心を持ったのは、東日本大震災のボランティアがきっかけです。HP時代、会社の取り組みを通じてボランティア活動に参加しており、そこで「ITで復興支援に貢献したい」と考えるようになりました。その一つの手段としてIoTに思い至り、ちょうどIoT関連の仕事をしていた知り合いの紹介で、フランスのテクノロジー企業に転職しました。
──外資系企業でのご経験が長いのですね!
はい。Actilityでは、上司がフランス人でメンバーはシンガポール、パリ、日本に点在している状況で、日本オフィスがなかったためその頃からリモートで働いていました。
業務内容としては、日本国内の大手通信キャリア向けのサービス展開の提案や課題解決支援などを、デバイスやゲートウェイのハードウェアベンダー、SIerなどと一緒に行っていました。
Actility時代には、IoTで取得したデータを業務システムと連携する部分などに課題を抱えているお客様が多くいらっしゃいました。そこで、その課題を解決できるのではと思い、RPAソフトウェアベンダー・UiPathへプリセールスとして転職しました。UiPathでは業務の自動化をコアとしたDXソリューションをお客様へ提案していたのですが、改めて労働人口減少などの社会課題への対応を考えさせられましたね。業務の自動化もその中核のソリューションですが、通信やIoTがその課題解決の一翼を担うという想いが再燃し、良いタイミングで出逢うことができたミークに転職をして今に至ります!
──これまで本当に多様な経験をされてきたのですね。ミークを選んだ理由はほかにもありますか?
3キャリア対応していることは、大きな理由の1つです。ユニークですし、サービスを提供していく上で優位性があると思いました。あとは事業の柱としてMVNEがあることや、ソニーのバックグラウンドがあることも面白いと思ったきっかけです。ちなみに、面接でお会いした宮内さん(上司)が面白そうだなと思ったことも意外と大きな決め手です笑
──実際に入社してみていかがでしょうか?
一言で表現すると「楽しい」ですね。初めての日系企業なので、入社前は社員の関係性や働き方などを少し心配していましたが、まったくの杞憂でした。ワンフロアのオフィスと同様、フラットな関係性の中で、日々助け合いながら業務に取り組めています。所属部署に限らず周囲のメンバーに恵まれていると感じます。前述の宮内さんは言わずもがなです笑
仕事内容についても、自分のエンジニアスキルの向上や、経験したことのないMVNE分野でのお客様の課題解決など、非常にやりがいをもって働けているので、「楽しい」というのが一番にあります!
幅広い“引き出し”が求められる「SA課」の役割
──SA課のお仕事について詳しく教えてください。
SA課のSAとは「Solutions Architect」の頭文字です。お客様の抱えているシステムの課題を技術的な側面から支援することで解決する役割を担っています。
基本的にはプリセールスと呼ばれる形で営業に同行し、営業メンバーでは回答が難しい技術的な質問にお答えします。
お客様の実現したいことに対する技術的な懸念や、実現するための仕組みなどをヒアリングしながら最適なプランを提案する役割ですね。
一部大型案件や閉域構築など技術的に継続的な支援が必要な案件に関しては、状況に応じて、案件受注後もサポート(進捗管理や課題解決支援)を行うことがあります。
──お客様だけでなく、ミークにとっても頼りになる存在ですね。
そうですね、多くの方に頼っていただくためには、技術的な知識はもちろんのこと、営業部だけでなく、事業開発の部門や技術の部門とも連携しながらアイディアを出していく必要があります。
お客様への提案を検討する中で、新しい技術やソリューションについても触れておく必要があるので、エンジニアとしても成長できますし、MVNEではお客様の新規事業の立ち上げにも貢献できるので、すごくやりがいがあってチャレンジングな仕事だと思います。
──IoTの導入を検討するものの、なかなか実装できない企業も多くあるのが現状です。その中でのSA課の存在価値は大きいですね。
「IoTに取り組む」となった際にデバイス、通信方式、セキュリティ、システム、運用保守、データ連携や活用方法など、様々な検討事項が挙げられます。デバイス1つとっても、取得すべきデータ項目やサイズ、防水性や防爆仕様、耐用年数、セキュリティ対策、カスタマイズ性などいくつもの検討要素が出てきます。さらには、デバイスの設置場所や電源の有無、送受信するデータサイズなどに応じて通信方式や準備すべきシステムなども変わってきます。
一般的なシステム開発の場合にはIT部門が担当することが多いですが、IoTの場合には実際にIoTデバイスを扱うことになる業務部門や企画部門の方が、最初に検討を進めることが多いように思います。IoT導入に向けた検討段階でデバイスからアプリケーションまでの全体像を理解し、実現するための構成やロードマップなどを描くことまでは難しく、IoT化したもののPoC(実証実験)で終わってしまい明確な成果を得られないケースが多くあるんです。
──ロードマップを含め、そこで頼りになるのがSA課というわけですね!
はい。お客様がIoTに取り組むスタート時に、実際に既存の業務アプリケーションとどうデータ連携して、どうデータを活用していくのかを念頭にゴールを定め、エンドツーエンドで構成を検討してロードマップを引いていきます。
加えて、IoTではデバイスや通信面でのセキュリティ対策も重要です。特にIT部門の目が届きにくいIoTデバイスなどでセキュリティ対策が不十分な場合、IoTデバイスを経由した情報漏洩などのセキュリティリスクに晒されることになります。インターネットの利便性とセキュリティのバランスを考慮した設計が必要なんですね。
そして昨今ではAI技術の進歩も早く、IoTで収集したデータをAIと組み合わせてどのように活用していくべきかという検討も欠かせません。
我々SAが技術的な要件や課題のヒアリングを行い、それらを解決するための通信と組み合わせたソリューションを提案していくことで「PoCで終わらないIoT運用」を実現し、お客様に満足いただけるのかなと思っています。
──SA課にはどのような人が向いていると思いますか?
お客様の思いや課題を傾聴できる人。そのうえで、課題解決を実現するための提案ができるよう引き出しを多く持っている人です。またそうなるために、「通信」にとどまらず、様々な業界や技術に興味を持っていて社内外のコミュニケーションが取れ、最終的にアウトプットができる人(そんな人はいないか……)が向いていると思います!
要するに、様々な経験を持っていたり、斬新なアイディアを形にしたり、難度の高い場面に遭遇しても前向きなマインドで取り組めて、周りの人を上手に巻き込める人ですかね!
あと、1番大事なのは今のSA課メンバーと仲良くしてくれる人!ですね!笑
──課内でのコミュニケーションも大切にしているのですね。
はい。現在のSA課は兼務のメンバーを除くと3名体制なのですが、全員中途入社組で、それぞれの業務経験から技術的な強みも違います。そのため、何か課題が出た際に全員で共有することで、各自の長所を活かして解決策を多角的に検討することができます。ちょっとした相談や雑談が気軽にできる関係性を構築できているので、一人だけでは出てこない発想を得ることもできます。仕事自体はテレワークでも完結するのですが、やはりオンサイトで直接会話する機会も重要だと考えていて、飲みに行ったり、出社日を合わせたりしてコミュニケーションを取っています。 出社することで必然的に他部署との交流機会も増えるため、いろいろな部署を巻き込んでお客様の課題解決をサポートしていくSA課として、日々のコミュニケーションは大切にしています。
市場急拡大に伴い、IoT通信はより重要な存在に
──今後IoTはどのように拡大していくと思いますか?
いろいろな市場調査レポートで報告されている通り、IoTデバイス数は増加傾向と予測されています。IoTデバイスが増える予測の背景には、デバイスやセンサー機能の高度化、人口減少に伴う省人化・自動化などの要因があると思います。
特に日本では、地震・豪雨・酷暑などの災害対策や老朽化したインフラの保守などの社会課題への対応策としての活用や、健康志向や高齢化社会に伴うヘルスケアなど身近なセンシングまで、幅広く活用が進んでいくと思っています。
IoTデバイスが増加するということは、同時にIoTデバイスが生成するデータも増加し、デバイス自体の管理は当然のこと、生成されるデータの管理や活用についてもより重要性が高まると考えられます。センサーやデバイス側ではAI活用などにより認識・識別できる内容が増えるため、今まで取り組めなかったようなユースケースにも適用できるようになるかもしれません。そしてIoTでは、デバイスで取得したデータを人やシステムがどのように活用していくかを検討することも大事なため、ネットワークをどのように構築するべきかという検討も重要な要素になってくると思います。私たちの担う通信の部分は、今後より重要性が高まっていくのではないでしょうか。
──より一層SA課の役割が大事になってきますね。SA課の今後の展望を教えてください。
まずは、現在お客様からいただいている様々なご要望に対し、大小の技術課題を解決しながらお客様が安心してビジネスを進められるように必要な提案や支援を行っていくことに注力しています。同時に、各案件で得られた知見などを集約・整理して展開することで、商談を効率的に進められるように社内への働きかけも行い、多くのお客様にも有益な提案をしていきたいと考えています。
また、当社サービスをエンドツーエンドで紹介できるようなデモ環境を構築し、必要に応じてショート動画などのコンテンツも用意して、サービス内容をより分かりやすく社内外に広くアピールできればとも思っています。
そして当社の強みである3キャリア統合の閉域網を軸に、より多くのお客様のご希望に添えるような機能拡張やサービス連携などを図りながら、パートナーのソリューション提案も交え、お客様の課題解決と当社のビジネスの拡大に貢献できればと考えています。
──最後にこのnoteを読んでくださっている方にメッセージをお願いします!
IoTは、いろいろなモノやコトを繋いでいくことで価値を創ります。IoTを構成するものは、通信、デバイス、システム、アプリケーションなどですが、最終的には「人がどのように活用していくか?」「どう判断して、どのようにアクションに繋げていくか?」が一番大事だと思っています。当社のサービスを活用いただくことで、その実現に向けたお手伝いをこれからも続けていきます。そして、その楽しさを分かち合える仲間が増えていくことを期待しています。