MVNEで培ったサポート力でIoTビジネスを支援!「MEEQビジネスツールズ」がもたらす価値とは?
IoT/DXプラットフォーム『MEEQ』を提供しているミークでは、新たなサービスーとして「MEEQビジネスツールズ」をリリースしました。IoTビジネスの運営やIoTの自社利用に必要な様々なビジネス機能を提供するもので、一言でいえば「手間のかかるあらゆる作業を引き受ける」サービスです。
今回は「MEEQビジネスツールズ」の狙いや展望を、事業開発本部長の小林敏範が説明します。
MVNEの実績から生まれた新サービス
ミークでは「MVNE」と「IoT/DXプラットフォーム」の2つの事業を展開しています。MVNE事業では、MVNOとしてモバイル事業を開始する事業者様への立ち上げ支援からモバイルネットワークの提供、システム連携の提供などのサービスを行っています。
一方、IoT/DXプラットフォーム事業では、IoTサービスを展開している事業者様やIoTを自社で利用している企業様向けに、用途に適したモバイル通信(SIM)や、IoTで利用するストレージサービス、AIサービスなどを提供しています。
ミークは2013年のMVNO黎明期からMVNE事業を展開しており、 これまでに数多くのMVNO事業者様を支援してきました。
よく誤解されることですが、我々MVNEはただ単に“通信”を提供しているわけではありません。例えば、MVNO立上げ時の工程管理、ご要望に合わせたサービスプランの設計、システム連携、サービス開始後の新規プラン追加や帯域コントロール、通信設備のメンテナンスなどなど……やるべきことが数多くあります。表からは見えない数々の作業によって、安定的なMVNOサービスは成り立っているのです。
そして、今回開始した「MEEQビジネスツールズ」は、そのIoTビジネス版といえます。これまでIoT/DXプラットフォーム「MEEQ」では、通信やデータ収集・処理などの技術面にフォーカスしたサービス展開を行ってきました。しかし、IoTサービスを事業として成立させるためには、どのように端末を調達・管理するか、端末にSIMをセットする作業をどこでどのように行うか、お客様への連絡や料金請求はどうするか、といった周辺領域のビジネス機能もすべて整える必要があります。
MVNEで培ったノウハウをもとに、IoTサービスの立上げやその後の運用フェーズの課題を解消できるよう、お客様が必要とされる機能を一つずつ揃えていく――こうしたコンセプトで「MEEQビジネスツールズ」は誕生しました。
第一弾「SMS送信」から順次拡充
MEEQビジネスツールズの第一弾は「SMS送信」。お客様の基幹システムなどから当社が提供するAPIを利用してSMSを送信できるサービスです。お客様から「安価にSMSを送信できるサービスをMEEQとして提供できないか」というお声をいただき、今回サービス化に至りました。
SMSはメールなどと比較して送達率が高いとされているため、様々なビジネスシーンで利用されています。例えば、荷物の配送状況の連絡や、レストラン・サロンなどの予約のリマインド、金融サービスの支払いアラートなどです。皆さんも一度は届いた経験があるのではないでしょうか。
また、その他の使い方として「2要素認証」があります。セキュリティの重要性が年々高まるなか、SMSを利用したワンタイムパスワードの利用が増加しています。秘匿性の高いデータを扱うシステムへのログイン時や、パスワードリセット時のコード送付などにもSMSは利用されています。
このようにSMS送信は非常に便利ですが、これらの機能を自社で実現することは容易ではありません。SMSを数万人、数百万人のお客様に送信するとなると、まずは4キャリアと接続しなければなりません。その上で、送信先キャリアの判別を可能にするシステムを構築する必要があります。SMSは便利な反面、メルマガなどとは違った手間やコストがかかってしまうのです。
ちなみに、SMS送信を実現するために4キャリアと接続する場合、計画が決まってから構築完了までに、3ヵ月×4社で延べ12ヵ月程度の期間を要します。開発費用については、様々なケースがあるものの、数百万円×4社で数千万円程度かかるのが一般的です。
このように、SMS送信はニーズの高さに反して、導入に大きな手間とコストがかかります。より多くのお客様の課題解決に貢献するため、優先度を高めて第一弾としての提供を決めました。
もちろん、今後はさらにサービスを拡充する予定です。ミークではこれまでも、お客様からいただいた様々なご要望をサービス化してきました。ご要望は一覧化して営業や技術も含めた全部門で週次で確認しています。
2024年2月には「Wi-Fiルーター付通信サービス」をリリースしましたが、Wi-Fiルーターに限らず、端末の調達からSIMのキッティングなどをワンストップで提供できるようなサービスを現在検討しています。
その他にも、「通信+データ収集・処理」とは異なる、IoTビジネスを運営していく中での様々なご要望をいただいています。優先度の高いものからピックアップして形にできるように検討を進めています。順を追ってではありますが、お客様に喜んでいただき、IoTビジネスの障壁が少しでも取り除ければと思っています。
MVNE、IoT/DXプラットフォームの両輪でお客様を支援
改めての話になりますが、当社はMVNE事業で培ったネットワークの品質・ボリュームをIoTサービスでも利用することにより、双方に最適な通信をご提供できるビジネスモデルに強みを持っています。
MVNE事業では、MVNO事業者様のアイデアを一つでも多く実現するように今後もサポートに力を注いでいきます。一方のIoT/DXプラットフォーム事業はまだまだ伸びしろのある分野です。「MEEQ AI」のさらなる拡充や、「MEEQグローバルSIM」を活用した海外展開も目指していきます。